シャネルの歴史
シャネルの誕生は1910年、ココ・シャネルによってパリのカンボン通りにオープンした帽子屋「シャネル・モード」がはじまりです。
オープンから2年後の1912年、シャネルはジャージー素材を用いたドレスを発表。これが、瞬く間に女性たちの間で話題を呼びます。
当時、ドレスの素材にはシルクやサテンなどの高級な素材を用いるのが一般的であり、ジャージーは男性用肌着に使用される素材でした。
当初は驚きと興味本位のみであった女性たちもジャージーの着心地の良さとシャネルのシンプルなだけではないシックなデザインに惹かれていきます。
当時のヨーロッパのファッションスタイルは、装飾が多く施されたドレスに丈の長いスカート、コルセットの着用が一般的で、美しく華やかではありましたが、仕事(※)や生活するうえで不便であり窮屈でもありました。
※第一次世界大戦の影響で戦争に出る男性の代わりに多くの女性が働き手として社会に進出していった時代背景があります。
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1910年代以前に流行していたスタイル
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シャネルの登場によって浸透していったスタイル
その様な時代の中、シャネルが提案したファッションスタイルは着心地の良さ、機能的、かつ洗練されたデザインと、ココ・シャネルの自由でタイムレスな発想に基づく新しいものでした。
以降シャネルは
・女性用ズボン(パンツスタイル)を提唱
・高価な宝石ではなくデザインされたコスチュームジュエリーを展開
・女性のために肩にかけられるバッグを製造(ショルダーバッグ)
・当時喪服とされていた黒いドレスを一般化
・独自の香水を開発
など革新的な作品、スタイルを次々と発表していきます。
シャネルの登場によって女性たちは旧時代の凝り固まったイメージから解放され、快適にファッションを選び、楽しむことができるようになったと言えるでしょう。
その後1921年にマリリン・モンローも愛用したフレグランス「シャネルNO.5」を発表、
創業から10年足らずで既にヨーロッパを代表するブランドとなっていたシャネルですが、ハリウッドの衣装デザインも担当し世界有数のハイブランドに成長していきます。
ガブリエル “ココ” シャネル
フランスのファッションデザイナー、起業家、シャネルの創業者
1883年フランスのソーミュールで生まれ、幼いころ母親を亡くし孤児院を経て修道院へ。そこで教わった裁縫の技術を活かし、お針子として働きながら、舞台女優、歌手として活動。歌手としても非凡な才能を持っていたがファッション業界の道を選びシャネルを創業。 彼女の人生観、残した言葉は現代でも多くの女性から尊敬を集めている。またデザイナーとしてだけではなく経営者としての評価も高い
1939年に第二次世界大戦がはじまり、その影響でシャネルは31番地(本店)以外のブティックをすべて閉店しています(1954年に復活)。
※当時撮影された写真に「N°5」を購入しようと31番地のブティック前に行列するアメリカ兵達の姿があります。前述の閉店、また戦時中という状況にありながらもシャネルの人気がとても高かった事が伺えます。
1955年、女性用ショルダーバッグの原点と言われている「2.55」を発表します。
1971年1月10日ココ・シャネルが87年の生涯を終えます。
葬儀はパリのマドレーヌ寺院で執り行われ多くのデザイナー、ファッションモデルが参列しました。
1983年 「マトラッセ」を発表 ※「2.55」をもとに改良が加えられたブランドのアイコンと言うべきバッグです。
2000年 初のスポーツウォッチ「J12」を発表。セラミック素材による強度とデザインを両立させたモデルで男性からの人気も高い腕時計です。
現代でもココ・シャネルの自由な発想と革新性が受け継がれている事が分かります。